「新NISAってみんなやってるけど、本当に自分もやるべき?」「損しないか不安…」
そんなモヤモヤを持っている人向けに、この記事では新NISAのメリット・デメリットを初心者目線で整理します。
結論:新NISAは「長期でコツコツ資産を作りたい人」にとってはかなり有利な制度。ただし、元本保証ではなく、使い方次第でリスクもある。
- 投資の利益に税金がかからない(約20%カットが0%に)
- 非課税期間が無期限&売却した枠が翌年以降に復活
- 一方で、損しても「損益通算」ができない/元本保証ではない点に注意
🔰 この記事でわかること
- 新NISAの代表的なメリット(税金・非課税枠・柔軟さ)
- 新NISAのデメリット・注意点(元本割れ・損益通算できない など)
- 「やるべき人」と「まだ貯金優先でもいい人」の目安
- 不安が消えた後の、具体的な次のステップ
制度の全体像をまだ読んでいない方は、先にこちらをざっと読んでおくとスムーズです👇
Ⅰ. 新NISAの主なメリット
まずは「新NISAの良いところ」から整理します。メリットを理解すると、「やることの意味」と「どれくらいの額から始めるか」が決めやすくなります。
メリット1:投資の利益に税金がかからない(約20%→0%)
新NISA最大のメリットは、投資の利益に税金がかからないことです。
- 通常の口座(特定口座)…利益の約20%が税金で引かれる
- 新NISA口座…枠内の利益は税金0%でそのまま受け取れる
たとえば同じく100万円の利益が出た場合:
- 通常口座:手取り約80万円
- 新NISA:手取り100万円(差額20万円)
長期で見るほど、この差は雪だるま式に大きくなります。
「同じリスクを取るなら、課税口座より新NISAでやった方が長期的に有利」と考えられます。
メリット2:非課税期間が“無期限”になった
旧NISAでは「5年」「20年」など非課税期間に期限がありましたが、新NISAでは非課税期間が無期限になりました。
- 老後資金のように、30年・40年の長期運用とも相性が良い
- 「期限までに売らなきゃ…」と焦る必要がない
長期運用が前提のインデックス投資(オルカン・S&P500など)との相性はかなり良いです。
メリット3:複利で増えた利益も青天井で非課税(生涯1,800万円の元本)
新NISAでは、生涯で使える非課税枠(元本ベース)が最大1,800万円あります。
| 区分 | 年間上限 | 生涯上限(元本ベース) |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 合計 1,800万円 |
| 成長投資枠 | 240万円 | |
| 合計 | 360万円 / 年 |
ポイントは、1,800万円はあくまで「元本」であり、増えた分はいくら増えても非課税ということです。
- 元本:1,800万円
- 運用で増えた分:2,000万でも3,000万でも税金0%
長期でコツコツ積み立てるほど、この「複利で増えた部分が全部非課税」というメリットは大きくなります。
メリット4:売却しても枠が復活するから人生設計が柔軟(教育・住宅資金にも◎)
新NISAでは、売却した元本分の非課税枠が翌年以降に復活します。
- 教育資金やマイホームなど、途中でお金が必要になったときに売却してもOK
- 売却した分の枠は翌年以降にまた使い直せるので、将来の老後資金づくりにも再チャレンジしやすい
旧NISAのように「一度使った枠は二度と戻らない」という窮屈さがなく、人生のイベントに合わせて柔軟に使える制度になっています。
枠の復活の仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらのFAQもどうぞ👇
👉 新NISAのよくある質問(FAQ)|積立額・税金・売却・枠の復活まで
メリット5:少額(月100円〜)から始められる
「お金に余裕がないから、まだ始めなくていいや…」と思っている人も多いですが、新NISAは月100円〜の少額から積立ができます。
- 学生・新社会人:月1,000円〜3,000円でもOK
- 社会人:月1万円前後から始めて、慣れたら増額するパターンが多い
いきなり満額を目指す必要はありません。
「少額でも早く始める」→「生活に慣れてきたら増やす」というステップが、精神的にも安全です。
メリット6:いつでも売却可能(枠は翌年以降に復活)
新NISAで買った投資信託や株は、非課税期間内(無期限)のいつでも売却して現金化できます。
- 急な出費に備えて「いざとなれば売れる」という安心感
- 売却した元本分の枠は、翌年以降に生涯枠として復活
「一度入れたら出せない貯金箱」ではないので、
生活防衛資金さえ別で確保しておけば、そこまで身構えすぎる必要はありません。
Ⅱ. 新NISAのデメリット・注意点
良いところだけを見ると「やらなきゃ損!」という気持ちになりますが、リスクや注意点もきちんと理解しておきましょう。
デメリット1:元本保証ではない(値動きでマイナスになることも)
新NISAはあくまで「投資の利益に税金がかからない制度」であって、元本保証の仕組みではありません。
- 株式・投資信託の価格が下がれば、評価額がマイナスになる
- 短期的には上下に大きく動くこともある
ただし、このリスクは新NISAに限らず投資全般に共通です。対策は意外とシンプルです。
✅ リスクを抑えるための黄金ルール
- 短期で使うお金(5年以内)は新NISAに入れない。
- 「長期・分散・積立」を徹底する。(特につみたて投資枠の利用)
- 値動きの激しい個別株・レバレッジ商品だけに偏らない。
特に初心者は、まずオルカンやS&P500などの「王道インデックス」から始めるのがおすすめです👇
👉 初心者が買うべき投資信託3本|新NISAで失敗しない王道インデックスを厳選
デメリット2:損しても「損益通算」や「損失の繰越控除」ができない
新NISA口座で出た損失は、税制上「なかったもの」として扱われます。
- 課税口座(特定口座など)の利益と損を相殺して税金を減らす損益通算ができない
- 損失を翌年以降に持ち越して税金を減らす繰越控除もできない
💡 初心者はそこまで気にしなくてOK
このデメリットが効いてくるのは、頻繁に売買を繰り返す人や、個別株で大きな損失を出した人です。
新NISAを「長期の投資信託積立メイン」で使う初心者にとっては、そこまで神経質になる必要はありません。
デメリット3:使い方を間違えると「生活費を圧迫」するリスク
新NISAは枠が大きく、「年360万円まで使える」と聞くと、つい背伸びした金額で積み立ててしまう人もいます。
- 生活防衛資金がほとんどないのに、毎月ギリギリの金額を積み立てる
- ボーナス頼みの積立を設定してしまい、後から苦しくなる
これを防ぐために、大前提として:
- 生活費3〜6ヶ月分の現金(生活防衛資金)を確保する
- その上で、「なくなっても生活が破綻しないお金」から積立額を決める
「新NISAをやる前に、まず家計を整える」がとても大事です。
家計の把握には、無料の家計簿アプリやエクセルでの簡単な収支表など、自分が続けやすいツールをひとつ決めて使ってみるのがおすすめです。
デメリット4:商品選びを間違えると“制度は良いのに結果がイマイチ”になりがち
新NISA自体は良い制度ですが、どの商品を買うかは完全に自己責任です。
- 信託報酬が高すぎるアクティブファンド
- 毎月分配型ファンド(分配金を受け取り続けて元本が減るタイプ)
- よく分からないテーマ型・レバレッジ商品
こういった商品ばかり選ぶと、制度がいくら優秀でも、トータルの結果はイマイチになりがちです。
まずは全世界株式(オルカン)やS&P500などの低コストインデックスを軸にするのがおすすめです。
デメリット5:仕組みが少し複雑で、「よく分からないまま始める」と不安になる
新NISAは「つみたて投資枠」「成長投資枠」「生涯投資枠」など用語が多く、最初はどうしても分かりにくいです。
仕組みを理解せずにいきなり大きな金額を入れてしまうと、相場が下がったときに「やっぱりやめよう…」と狼狽売りしやすくなるデメリットもあります。
全体像をできるだけシンプルに整理した記事も用意しています👇
Ⅲ. 新NISAを「やるべき人」と「まだ様子見でもいい人」
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、新NISAをやるべき人/まだ貯金優先でもいい人の目安を整理してみます。
やるべき人(少額からでも今すぐスタートしてOKな人)
- 毎月、少しでも黒字(お金の余り)がある人
- クレジットカードのリボ払いや高金利の借金がない人
- 生活費3〜6ヶ月分くらいの貯金(生活防衛資金)がある人
- 老後や将来のまとまったお金づくりに、少しずつ備えたい人
- 短期で大儲けより、「コツコツ増やしたい」タイプの人
こういう人は、月1,000円〜1万円くらいの少額からでも、できるだけ早く始めた方が有利です。
新NISAは「時間を味方につける制度」なので、悩んでいる1〜2年の差がそのまま将来の差になります。
「まだ様子見でもいい人」「まずは貯金を優先すべき人」
- クレジットカードのリボ払い・消費者金融など高い利息の借金がある人
- 貯金がほとんどなく、毎月の生活費でギリギリになっている人
- 数年以内に大きな出費(留学・引っ越し・結婚など)が確定していて、その資金準備がまだの人
- 今の仕事や収入が不安定で、数ヶ月先の生活が読めない人
こういう場合は、焦って新NISAを満額使う必要はありません。
まずは生活防衛資金を貯める / 借金を減らすことを優先して、その後で少額から新NISAを始める方が安心です。
ちーずの目安
・借金があるなら → まずは借金返済と生活防衛資金づくり
・借金がなくて毎月ちょっと余るなら → 月1,000円〜でも新NISAスタートでOK
Ⅳ. よくある不安・勘違いをサクッと解消(Q&A)
詳しいFAQ記事もありますが、この記事では特によくある不安を3つだけピックアップしておきます。
Q1. 「今始めるのは遅い?タイミングを待った方がいい?」
A. 基本は「思い立ったときが始め時」です。
相場を完全に読み切ることはプロでも難しいです。
それよりも、少額でいいので早く積立を始める→時間を味方につける方が、現実的な戦い方です。
Q2. 「途中でやめたら損する?」
A. 途中で積立を止めることも、売却することも可能です。
ただし、短期で売ったり買ったりを繰り返すと、新NISAの“長期・非課税”のメリットが活かしにくくなります。
「最低5年〜10年は売らなくても大丈夫な余裕資金」で積み立てるのがおすすめです。
Q3. 「よく分からないまま始めて大丈夫?」
A. 全く分からないまま大金を入れるのは危険ですが、仕組みをざっくり理解してから“少額で試す”のはアリです。
新NISAの基本やよくある質問をまとめた記事もあるので、「まだ不安が残る…」という人は、こちらで一度整理してみてください👇



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